王位戦第1局

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千日手
2012年7月10日〜7月11日 七番勝負 第1局 羽生善治王位 対 藤井猛九段|第53期王位戦
指し直し局
2012年7月10日〜7月11日 七番勝負 第1局 羽生善治王位 対 藤井猛九段|第53期王位戦

王位戦初戦は角交換四間飛車から千日手になり指し直し。その指し直し局で藤井システムを出すも残念ながら藤井九段は負けてしまった。
十分な駒組みで仕掛けを誘い、駒をさばいて振り飛車側が良いように思ったが、58手目△6六飛で先手にぴったりした手が無いという不思議な状態に。

王位戦中継Blogの記事にそのへんの形勢判断の変化が読み取れる。

王位戦中継Blog : さばきの真髄

角を成り込んだ羽生王位だが、これからの攻め方には工夫がいるようだ。控室の見解は先手よし。

王位戦中継Blog : 「不思議だなあ」

見た目は先手がよさそうなのに、具体的によくする順を示すことができない。

深浦九段は「藤井さんはいいと思っていないんでしょうね」と言う。だから直線的に進めずに含みを持たせようとしている、ということだろう。形勢よしと見ればシンプルに、悪いと見れば複雑に、が将棋のセオリーだ。深浦九段はもう一度局面を見て「不思議だなあ」とつぶやいた。

王位戦中継Blog : 後から利いてくる手

「△1二香、△2五歩……。序盤で問題視されていた後手の手が、全部利いてきていますよね」と深浦九段。

現在は先手を持って自信のない形勢。「どこで悪くなったのか……」と深浦九段は首をかしげる

先手良しから形勢不明、もしかして悪いの?という流れ。
羽生王位は駒組みの段階でこういう進行になることを予測していたのだろうか・・・
これが大局観というものなのかなあ。羽生王位恐るべし。

王位戦中継Blog : 終局直後
羽生インタビュー

―― △8六歩(44手目)から△6五歩と仕掛けられたんですが、それ以降の戦いはいかがだったでしょうか。
羽生 少し模様が悪いので、勝負手気味にいきました。ゆっくりしてるとジリ貧になってしまうので。しょうがないかなと思っていました。

藤井インタビュー

藤井 作戦の意図はそれなりに通ったとは思うんですけれども、先手番なのであまり待っているわけにもいかず、(後手の仕掛けを)誘ったのがよくなかったという感じですね。角どかす(▲6八角……43手目)タイミングが最悪――△1二香が一番生きちゃう展開にしちゃったので。相手を誘った割には最悪の展開でしたね。軽率でした。ただ、先手番なので待っているわけにもいかないので、あそこは悩みどころでしたね。

これを読むと羽生王位はかるーく指してる感じだね。力まず自然体でこんなもんかと手を打つ。藤井九段はやっぱり細かく神経使っている感じ。指し手に妥協を許さない。
この二人の対局はなんだか知らんけど面白いなあ。森内-羽生の息が詰まりそうになる名人戦とはまた違った、明るく和やかな雰囲気を感じてしまう。ぜひ長いこと対局を見ていたいがどうなるんでしょ。

大盤解説会の動画
http://www.ustream.tv/recorded/23913744
40分頃から両対局者が登場。一言ずつ。