リコー杯女流王座戦 第1局
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清水市代女流六段 対 加藤桃子奨励会1級|五番勝負第1局|リコー杯女流王座戦中継
54手目まで前例を踏襲。この将棋は後手の勝ち。
棋譜でーたべーす 2011年9月9日B2順位戦中川大輔対飯塚祐紀
1図
55手目▲6六角で新しい将棋に。前例は▲5五角、△5四歩、▲6六角。どういう違いが出てくるのだろうか。
2図
1図からの指し手
△7六歩
▲3四歩
△7七歩成
▲3三歩成
△7八と
▲4二と
強く踏み込む。以下△同金、▲2二角成、△7九と、と解説では無理と言われた一直線の変化に。
棋譜解説に一ヶ月前にこの将棋を指した飯塚祐紀七段が登場。▲7一銀からの変化を解説し「後手5三歩型では詰まない」という衝撃の発言。清水に秘策はあるのか。清水はここで長考に沈む。
3図
2図からの指し手
△4二同金
▲2二角成
△7九と
▲2一馬
清水の指し手は▲2一馬だった。桂馬を取りつつ8七に利かせて飛成を防ぐ。
ニコ生真田解説では先手の馬が強力で接戦になっているとのこと(4時間50分頃)
加藤長考。攻めるか守るか。本局最大のポイント。
加藤は30分考え△3二歩を選択。最善か。今度は清水が考える番。面白い将棋。清水長考の間の濃密な時間が楽しい。
4図
3図からの指し手
△3二歩
▲8六歩
40分考え▲8六歩と飛車先を受ける。これは・・・
この手の時点で清水の残り時間は9分。加藤は1時間30分と大差がついている。
ニコ生解説では▲7一銀の変化を解説(5時間50分頃)。▲7一銀でどうも先手勝ちではないかというところでニコ生を追い出される。いやー盛況じゃないっすか(泣)。
棋譜解説では後手優勢と遠山雄亮五段がコメント。
5図
4図からの指し手
△6九角
▲4九玉
△5八銀
▲3九玉
△4七銀成
▲5五桂
△3六桂
ちょっとだけ見れたニコ生解説では△3六桂から先手の飛車を抜いて後手玉が詰まないと解説。飛車がいないと上部脱出を押さえる駒がない。
73手目▲5五桂は△5三歩型だから打てる駒。前例を踏襲しなかったのはこれを打ちたかったからか(適当)。
6図
5図からの指し手
▲6三桂不成
△5二玉
▲3六飛
△3八成銀
▲同玉
△3六角成
以下▲6一銀から後手玉に迫るも詰みがなく終了。
終局図
6図からの指し手
▲6一銀
△6三玉
▲7二銀不成
△7三玉
▲7四銀
△同玉
▲8三銀打
△7五玉
▲6六銀
△8六玉
まで90手で後手の勝ち
ニコ生解説では67手目▲8六歩が敗着という指摘。今日の将棋はここが全てという気がする。清水女流六段が勝ってたら会心譜になっていただろうだけに惜しい。加藤奨励会1級の終盤の指し手の的確さは当然とはいえさすがだった。
いやー面白かった。
感想戦の図面
▲8六歩に代えて▲7一銀なら先手勝ち筋とのこと。
▲7一銀
△8七飛成
▲6二銀打
△5二玉
▲4四桂
△4三玉
▲3二桂成
△8八竜
▲6八金
△5二金
▲3一成桂
△3四玉
▲2二馬
▲2三飛成以下の詰めろ龍取り・・・ということでいいのかな?
第2局の日程
本局の小暮克洋氏による詳細な観戦記は日本経済新聞にて11月中旬以降に掲載されます。ぜひお楽しみにお待ち下さい。
第2局は11月3日(木・祝)、愛知県豊田市「ホテルフォレスタ」にて行われます。第2局もお楽しみに。本日はありがとうございました。
- 女流王座戦、加藤先勝/随分違いますね | せんすぶろぐ ▲8六歩はないだろうというせんすさんの記事
この記事を読むとこの対戦は女流棋士と奨励会員の戦いなのだと気付かされる。この2つの世界の違いは大きいのだろう。▲8六歩が許される世界と許されない世界。
この将棋が面白かったのはそういう加藤が持つ奨励会仕込みの将棋の厳しさが背景としてあるからかもしれない。
次局も熱戦を期待しています。