第70期名人戦第3局
羽生二冠のすごい粘り。ほとんど負けと思われる局面から決め手を与えず我慢強く指し続けた。これはいわき市という被災地で対局している意味も考えてのことだろう。あきらめてはいけないという言葉を言うのは簡単だが、苦境において心を折らずに頑張り続けるのは並の精神ではできないと思う。全力で戦うということの強さ、難しさ。157手の投了図にはそうした羽生二冠のメッセージが込められているような気がした。また森内名人の最後の寄せも時間切迫の中全力を尽くした見事な寄せだった。
66手目△2六飛
これしかないのかもしれないが、正直つらそうな△2六飛。△2八馬から竜を作る狙い。△4九角から飛車切りの攻めでこうなった。森内名人にとってはありがたい展開だった?
投了図
以下手数が長い詰み。内容は羽生二冠にとって不出来な将棋なのかもしれないが、これもまた一つの名局なのかもしれないと思った。