電王戦第3局

今週は勝敗もなにも考えずに普通に見れた。先週は重かった。もうどちらが勝ってもいい。第2局のような雰囲気はもうあんまり味わいたくない。

ニコ生は見ていない時間のほうが多いが、加藤一二三九段のところは見れた。何という面白さか。加藤九段には将棋を語らせないと面白くならないんじゃないか。将棋への情熱が加藤九段にはあるからこそ、笑いながらも不思議と感動するのだ。
また伊藤慎吾四段、窪田義行七段のところも見れた。窪田七段は華麗な手さばきで駒を動かすだけで面白かった。伊藤四段はあいさつでひとネタ。華麗にスベっていたが本人は満足気な様子でそこが面白い。昨日のニコ生でもかなりのスベリ芸を見せてくれた。ぜひこれからも頑張って楽しませてほしい。今日は将棋界でも特に面白い人が出てくるな・・・

将棋の方はツツカナが△6六角と無理そうな攻めをしたあたりから見た。ここから終始先手優勢のようにも思ったけどどうなんだろう。調子よく▲4三馬と後手陣に迫った直後、ツツカナのカウンターの△5五香が炸裂。この辺り放送を見てなかったのだが、この手で先手の勢いが止まってしまった模様。妙手と終局後の解説だったが、何か無かったのかな。

ツツカナ優勢っぽい感じで先手玉を攻める。しかしここで△6六銀と謎の一手。どういう意味なんだ。ボロボロと攻め駒を取られて先手陣はさっぱりしてしまった。意味はわからないけど悪手だった?ようだ。龍の位置が後手陣にとって何か問題だったのだろうか。とにかく先手にとってはありがたい。あとは勝つだけ・・・

夕食後、放送を見てみるとあれ、まだやっている。しかも混戦。何があったんだ。終局後の解説では船江五段が変な手を指してしまったようだ。船江五段は最後の寄せに出るももう形勢が変わることは無く、余裕を持って受けられ、見切られ、ツツカナの前に船江五段は投了した。

力は互角、どっちに転んでもおかしくない名勝負だった。ただ互角とはいえ終盤のミスが出やすい分人間が不利なのかもしれない。何か特殊ルールは必要だろうか。人間側はタイムアウト・・・任意で五分休憩できる権利があるとか。まあそういうことをしないほうがプロらしいとは思うけど。

これで人間側の1勝2敗。勝敗にはもう興味なし。内容が面白いので最高のイベントである。

記者会見で序盤の△7四歩は一丸さんの作戦とのこと。そういうことをするタイプとは思っていなかったので船江対策をしてきたのは意外。また序盤で不利にならないように時間配分に注意したとも。そういえば今日使うはずだった自分のPCが壊れてしまい、急遽昨日のニコ生で使ったPCで対局したという話もあった。このPCは本来のものより性能がいいため、ツツカナも強くなったとかなんとか。こういう運も勝負のうちだなあ。

2013年4月7日追記

△6六銀の局面、コメントで▲2五龍以下詰みと教えて頂きました。これはすごいです。必然の手順だったとはびっくりです。

さらに追記
将棋電王戦 第3局でツツカナの指した△6六銀について - はげあたま.org

を読んでなるほどと納得。△6六銀はやっぱり悪手で、頓死筋を見逃したツツカナの「うっかり」だったと。△6六銀▲同竜とされてから頓死筋に気づき、△4二歩はぎりぎりでの回避だったということのようです。

電王戦第3局追記とか。 - 渡辺明ブログ

・電王戦第3局、先手が一気に駒得したところは△ツツカナのポカなんでしょうけども、コンピューターにも明らかなうっかりがあるんですね。ここまでのレベルに来たコンピューターに序盤の構想ミスはあっても読み違いの類の悪手はないと思っていたのでこれは意外でした。

渡辺竜王の感想の通り、得意なはずの終盤でのミスは珍しいように思います。

こばちゃんのワクワク対局:電王戦第三局 ツツカナの大悪手 その理由は?

『ツツカナ』のハードはPC一台です。
PC一台ですべての局面の詰みを読むことはできません。これがコンピューターソフトの弱点ですが、ハードを増強することによってカバーする事ができます。第5戦に登場する『GPS』はコンピューターを何百台と使用しますので、この弱点が補われています。

技術的なことはわかりませんが、こういうことも理由の一つにあるんですかね。ドスパラのPCのせい・・・いやいや。
ツツカナの悪手が出て勝負としては面白くなったと思います。船江五段としては勝ちきれなかったのが残念。コンピュータ側、人間側、一局の中に色々なドラマが現れて、本当に良い対局だったと思います。