ニコ生ボンクラーズ特集の感想
日本将棋連盟モバイル~驚異の高レーティング!対局ソフト「ボンクラーズ」を遠山雄亮五段が徹底解剖 - 2011/11/26 14:00開始 - ニコニコ生放送
放送時間は1時間、長くて1時間半ぐらいかなと思っていたんですが、まさかのたっぷり3時間。しかし内容はかなりの濃さでした。
最後の方はちょっと時間が余っていましたが。
番組内容は将棋倶楽部24でのボンクラーズ対アマ棋士対局の棋譜解説。
リアルタイムで24の画面を流し、ところどころ実況で解説。
事前に遠山五段が用意したボンクラーズの棋譜を再生しながらボンクラーズの強さ、弱点などを解説。
遠山五段はきっちり事前に500局ほどボンクラーズの棋譜を見て準備万端。しゃべりもうまく流れるように番組は進行。ボンクラーズの強さ、弱点、コンピュータ将棋の面白さ、プロから見た序盤、米長永世棋聖の対策は、などなど明快で的確な解説でした。
遠山五段から見たボンクラーズはまだまだプロには及ばない、という感想のようで、神のように恐れる必要はないという発言も。実際プロから見ればそうなんでしょうね。プロ棋士だからプロ有利、という無意味な盲信に基づく意見ではなく、きちんとした説得力のある冷静な分析に思えました。番組を見る前はそれなりにプロも警戒するくらいの強さかなと思っていたのですが、番組を見終わる頃にはボンクラーズ、コンピュータ将棋はまだまだだなとか思ってしまいましたし。人間の強さに対する変な安心感が生まれたのは自分がそう思いたいからかもしれませんが。
しかしこの分析はボンクラーズのパワーアップにつながるような・・・まあ強くなってすごい名局が生まれれば見てる方はいいんですが。ボンクラーズの作者さんはこの番組見たのかな・・・
遠山五段のキャラクターもあるんでしょうがコンピュータ将棋への危機感はほとんど感じられず、すごい余裕があるんですよね。この余裕がコンピュータとのリアルな力の差を感じます。
こういうプロの分析能力、将棋知識の深さを見ると、コンピュータ将棋の進化にはプロの協力が欠かせないような気がしますね・・・進化がプロに勝つという方向に限った話ですけど。プログラムの穴を塞ぐ役目でちょっと協力しただけでもかなりの強さになるような気がします。名人対プロ監修プログラム・・・何だか対立軸がよくわからない話ですね。
遠山五段の解説の仕事ぶりが素晴らしくかなり面白かったです。この番組は本番の対局まで番宣として無料で誰でも見れるようになるといいんですけどね。
以下はメモ
5分〜ボンクラーズの終盤の強さを解説。
10分〜馬取らずの妙手順で勝つボンクラーズ。
13分〜居飛車穴熊に普通の振り飛車で勝つ大山クラスのボンクラーズ。
15分〜手待ちの駒組みで人間に負けないボンクラーズ。
19分〜ボンクラーズの棋譜を500局ほど見た遠山五段。ボンクラーズとの対局をふられ、ソフトとの対局は禁じられているから今日は対局は出来ないと笑いながら返す。
25分〜対局時の将棋連盟電源不足問題。
26分〜ボンクラーズと対戦した人間が負けるパターンの解説。
人間側のあせり。ソフトの悪手を咎めて優勢からの逆転。心理状態の作用。過剰なCOMへの意識。
32分〜稲庭を指す人間はいないが、稲庭は対策済みではないか。
お忍びでプロもボンクラーズと指しているのではないか。それはわからないと答える遠山五段。
ボンクラーズの普通の振り飛車は強い。(居飛穴に普通の四間飛車で勝つプロは少ない)
一応人間側に先手が欲しかった。(電王戦の対局は後手が人間に決まった)先後が決まっているおかげで対策の研究は半分の手間で済む。
43分〜ボンクラーズの弱点。人間が勝った棋譜の解説。
角換わりで無理攻めをするボンクラーズ
居飛穴に無理攻めをするボンクラーズ
序盤の下手さ。歩をただで取られる、よくある手筋を見逃す、飛車先を受けないなど妙なソフトの癖。
棒銀の定跡を採用しないボンクラーズ。それをきちんと咎めた人間側のきれいな攻め。
57分〜入玉形に対応できないボンクラーズ。
千日手の判断が出来ず、打開して負けるボンクラーズ。
1時間2分〜終盤で間違う、詰みを見逃すボンクラーズ。ボンクラーズは長い詰みに弱いと遠山五段。
1時間10分〜メール質問タイム ボンクラーズはトッププロには厳しい。序盤で差がつく。最新型についていけないのではないか。定跡外の見えない、棋譜に表れない手順をどうするか。
1時間17分〜宣伝タイム 編集長自ら日本将棋連盟モバイルのご案内
日本将棋連盟モバイル|日本将棋連盟
1時間22分〜本の宣伝タイム
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1時間24分〜ボンクラーズの面白い指し手。コンピュータならではの常識にとらわれない読み。
横歩取り△3三角から△2四角△3三桂
新山崎流から新手?▲5八玉
角のタダ捨てから端攻め
人間の発想では浮かばない手を見られるのが面白いと遠山五段。
新しい定跡が生まれる可能性。
将棋を覚える手助けにコンピュータ将棋が力になれるのではないか。プロは弱い時期を知らないで育つから教え方がわからない。プロが教えるには手が足りない。普及の役に立つ可能性。
1時間37分〜ニコニコ超会議でニコニコ杯将棋の準備中?との情報。
ニコニコ超会議2019 公式サイト
1時間40分〜24生中継の棋譜解説。
1時間42分〜プロ的な序盤に弱点。
角換わり腰掛け銀同形、富岡流▲4四角の定跡を知らないボンクラーズ。
矢倉▲3七銀宮田新手から結論が出ている定跡に踏み込んで負けるボンクラーズ。
研究将棋、情報戦の問題。
プロの棋譜に残らない(本には載っている)定跡や最新の研究に弱い。
ゴキゲン中飛車、石田流、角交換振り飛車、相振り飛車などで
プロから見ると無い手をかなり指している。現代的な将棋に弱い。
1時間54分〜ボンクラーズは現代将棋の最新型に弱い。電王戦に向けて会長が取る作戦は。ただし最新型を指しこなすには膨大な研究が必要。
1時間57分〜ゴキゲン中飛車超急戦。うかつに飛び込んで定跡を間違えると取り返しが付かない。プロでも覚え切れない最新定跡。
ボンクラーズは激しい将棋に強い。(人間が間違えた場合の挽回が難しいため)
本番の戦型では乱戦よりもゆっくりした矢倉、定跡が未整備の角交換振り飛車なんかがよいのではないか。
2時間6分〜ニコ生視聴者の棋力アンケート
初心者普及に向けて。24は辛い。堂場で7級(ハム将棋に勝てるレベル)がとりあえずの目標。
2時間17分〜24の生観戦
2時間24分〜米長永世棋聖の対策は。
鷺宮定跡、四間飛車対急戦、ともに振り飛車側のボンクラーズの負け。穴熊に組むより急戦のほうが勝ちやすい?
相穴熊で先手で千日手を選択する(打開しない)ボンクラーズ。先後で有利不利の感覚がない。後手米長永世棋聖の千日手狙いも。
以下雑談タイム
2時間29分〜本の宣伝〜イベントアンケート〜プロ棋士の分析半端ねえ〜会長の実力は。ブランク、年齢、体力、終盤〜中原永世名人は序盤リード型。米長永世棋聖は終盤型。対コンピュータでは序盤型のほうが有利か。ただしCOMの苦手な入玉型は米長永世棋聖の得意。やるなら入玉になりやすい矢倉模様か。〜