NHK杯第36回大会 福崎文吾七段 vs 羽生善治四段

囲碁・将棋チャンネルホームページ
NHK杯テレビ将棋トーナメント選 #4
第36回大会 1回戦第1局 福崎文吾七段 vs 羽生善治四段
対局日:対局日:1986
2012年10月26日放送。

先週までのひどい画質に比べると今週はすごく綺麗で見やすい。
先手福崎七段26歳、後手羽生四段はなんと15歳。新四段でのNHK杯初出場の一戦とのこと。羽生四段はもちろん見た目は若いんだけど、対局中の雰囲気は今とあんまり変わらない。初々しいところは感じられず、版を睨みつける眼光は鋭く迫力があり、一心不乱に読み耽る様は既に完成された棋士の姿に見えた。
解説の石田和雄九段は福崎七段のことをしきりに変わった将棋だ、変則的だと言う。序盤の駒組みの最中も何をやってくるかわからない、だからどこかで何か変わった手を指すんじゃないか、と言っていたが、その言葉に反して戦型は矢倉の定跡形になった。

うろ覚えだがこんな感じ・・・で開戦。この後6筋から後手が攻め、先手が受ける形になった。
ポイントはどこだったのか・・・解説の石田九段が絶好調で(いつもどおり)、局面に対しあーでもないこーでもない、これはいい手だ悪い手だ、羽生四段の若さが出ましたね、と思ったらそーでもないのか、いやいやいや、うーんうーんと、それに聞き惚れて(大笑いして)いるうちに羽生四段が玉頭からの攻めを繋げて勝ってしまった。

これもうろ覚えの局面・・・
今考えると先手は途中7九角引きがたたってしまったようで、この△6九金で角が死んでいる。これがなければ勝負はどうだったのか、感想戦ではそこまでいかなかったのでそれはわからないが、その後優勢になったあとの羽生四段の勝ち方はとても15歳とは思えないしっかりした、また相手を嫌にさせるようなそういう格の違いを感じさせるような勝ち方だった。
対局終了後、福崎七段は相手が悪かった、負けはしょうがない、という感じでさばさばしていたのが印象に残った。その後王座を奪われて19年間前王座が持ちネタになるとはこの時思っていなかっただろうな・・・(当たり前)

今の羽生三冠も魅力的だけど、この当時の羽生四段も荒削りな感じでこれまた魅力的。タイムマシンがもしあれば、どっちが強いのか出来る事なら対戦させてみたいわ・・・

2012年10月29日追記

採譜して棋譜ぺったんで作成しました。

http://noike.info/~kenzi/cgi-bin/kifup/

▲福崎文吾七段 vs. ▽羽生善治四段

石田九段の解説も無いと面白さが伝わらないんじゃないかなあ。