将棋世界3月号を読む

将棋世界3月号を買ってきて今眺めたところ。今月は米長邦雄永世棋聖の追悼特集。

多くの追悼文が載せられている中、中川大輔八段の文章には「師匠とは絶縁状態だった」との不穏な文字が。週刊誌報道で色々書かれていたけど、トラブルがあったことは事実のようでこれは残念な話だね。何があったかとかまでは書いてなかったけど、追悼文で正直に書く中川八段は偉いと思った。

内藤國雄九段の追悼文にも後年の米長会長時代を批判する文章が見える。微妙な関係が伺えて面白い。

河口俊彦の文章はさすがに面白い。ユーモアあふれる人柄を示すエピソードがたくさんあるんだろうなあ。
ただ将棋は後年、勝つためにきれいな序盤になって名人にもなったが、そのぶん終盤の魅力が薄れたとのこと。米長永世棋聖は現代将棋における序盤の重要性をきちんと理解していた、ということだけど、棋士の個性がなくなるのはファンとしてはつまらないよね。まあでも棋士本人にしてみれば結果が全てだろうからなあ。

また話は違うけど未だ電王戦の△6二玉はモヤモヤが残る・・・序盤の作戦負けを許すほど今のコンピュータ将棋は甘くないとは言うものの、やっぱり米長永世棋聖の力が発揮できる戦型で見たかったなあ。そういえばあの時も「われ敗れたり」で△6二玉を後世に残る一手とか言ってたような。名を残す事に相当なこだわりがあったんだなと思う。

米長氏に対するの当たり障りの無い追悼特集かと思ったら、意外な批判も読めて良かった。あとTwitterで指摘されていたのだが、先崎学八段の追悼文が無いのは何故なんだぜ。まあまだ辛くて書けないのかもね。