なんとなく感想

泥にまみれた塚田九段が譲れなかったもの -『将棋電王戦』第四局 "棋士の意地"すら超えた、勝負への壮絶な執念 (4) 絶望からの復活 | マイナビニュース
より引用

本局を冷静に振り返ってみれば、コンピュータの強さが際立った内容だったと言えよう。定跡形で堂々と勝負に応じ、プロが「絶対やってはいけない手」と言った手を指して有利になった。コンピュータ将棋をここまで強くした開発者には感服せざるを得ないし、この戦いでコンピュータ将棋は大きな勲章を得たとも言えるだろう。

一方でプロ側はどうか。この「電王戦」が社会現象とまで言われるほど注目を集めていることは、将棋界にとって大きなメリットがあるだろう。だが、実際に戦う棋士にとってのメリットはなんだろうか。勝って当たり前、負ければ叩かれる勝負である。団体戦ということで泥にまみれてまで仲間にタスキをつないだ塚田九段の執念は素晴らしかったが、本来個人戦であるプロ棋士にとって、そのことにどれほどの意味があるのか、という手厳しい意見もある。

第2回電王戦はここまで4局戦って色々なものが見えてきた。先週行われた第4局は図らずも感動的な結末になったが、プロがコンピュータの穴を突き延々と粘るという傍から見れば無様な将棋を長時間にわたって見せられることになった。上記引用部分はそのことに対する苦言であると思う。団体戦ルールは興行的な意味合いが大きいが、そのプレッシャーが将棋の内容をおかしくするのであれば見直すべきだろう。プロ対コンピュータの対局は勝負の結果ではなく、もっとお互いの力を見せ合えるような意味のあるものにするべきではないか。

プエラαの開発者伊藤氏はブログでああいう将棋になり残念だと感想を漏らしている。この失望もまた理解出来る。何のためにソフトを強くしたのか、そのことを考えればプロには正面から戦ってほしいと思うのは当たり前の事だと思う。第一回電王戦からいい勝負を見せられないのは運が無いソフトなのかもしれない。

塚田九段は盤上でやれることを全力でやったので全く問題はない。批判するところがあるとすれば事前準備の甘さか。相手コンピュータが入玉しないという予測で作戦を立てるなどはちょっと甘すぎるんじゃないだろうか。塚田九段に限らず今回なんというか全体的に準備が甘すぎるようには思う。初めての対コンピュータ戦なので研究のしようがないとは思うが、もう少し有利に序盤を進められそうにも思う。普段定跡に守られているのは人間の方なのではないかと思ったりもした。塚田九段やこれまでの対局者が十分準備していたらスミマセン。

今週20日土曜日にはいよいよ三浦八段とGPS将棋の対戦がある。いい将棋になりますように。あ〜たまらんものがあるな。